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子どもの「特別定額給付金」、貯蓄が正解?

親が子どものために使うか、子どもに渡すか

2020年4月20日、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」が閣議決定され、特別定額給付金事業が実施。すでに受け取っている方も多いと思いますが、「給付対象者1人につき10万円」のこの給付金、どう活用したらいいのでしょう?

人数分だけもらえる10万円、貯蓄が多い?

「特別定額給付金」はもう受給しましたか?
6月1日~5日にマイボイスコムが行った調査によれば、「すでに受給済み」が2割弱、「申請したが受給していない」が5割、「これから申請・受給する予定」が3割強。同調査によれば、受給者・受給予定者のうち、使い道としては「消費や支払い」が76.9%、「貯蓄」が28.8%、「寄付」が3.8%(複数回答)。
なお消費・支払いに使うあるいは使った・使う金額は「9~10万円」が44.9%で、その内容は「普段の食費、水道・光熱費、家賃、ローン、医療費など」が39.7%、「趣味や娯楽、交際費、健康・美容など」「余裕ができたら購入・利用したいと思っていたもの」が各3割弱(複数回答)だったといいます。
収入減となった世帯も少なくない中、貯蓄より消費・支払いに充てたというケースは多そうです。
では生活費以外にどのように使うことが望ましいでしょうか。
キッズスマイルアカデミーの久保田淳也さんは、「例えば新型コロナウイルス緊急募金など、支援団体に寄付をするのもよいのですが、『ホテルに卸していた花が売れなくて困っている』『レストランが仕入れていた食材が売れなくて困っている』といった、業者の方々を消費によって支援するという、募金とは異なる視点を持って消費する姿をお子さんに見せるのもいいですよね」と言います。

子どもの10万円は子どもに渡したほうがいい?

自分自身の特別定額給付金については、自分自身で判断できますが、では、子どもはどうでしょうか。
久保田さんは「小さなお子さんの場合、10万円の価値そのものを理解するのは難しいかもしれません。ただ、『どういうお金なのか』という説明はしておいたほうがいいと思います」と言います。
総務省では、「給付対象者は、基準日(令和2年4月27日)において、住民基本台帳に記録されている者」「受給権者は、その者の属する世帯の世帯主」と定めています。
ということは、未成年の子どもは基本的に給付対象者であっても受給権者ではなく、親が受け取るわけです。でももし、「おかあさん、わたしも、10まんえん、もらえるのでしょう? タブレットかってもいい?」と子どもに言われたら?
おこづかいにしてもそうですが、基本的には各家庭ごとの家計の状況で判断するのがよさそうです。給付金の本来の狙いは、生活費用の補てんですから、生活費として使って全く問題ないでしょう。今回の新型コロナウイルスの影響が収入に与える影響は、一時的なものとは考えにくくなってきています。
子どもに「好きなように使っていいよ」と渡すのは、控えておいたほうがよさそうです。

ゆとりがある世帯の場合は投資も視野に

久保田さんは「世帯差はあると思いますが、個人的には『投資のチャンス』ととらえてもいいと思います」と言います。
「私自身はよく、月収の2割を貯蓄に回すことを勧めていますが、同様に、全額投資に使うのではなく、今回の10万円のうち、1~2割を投資に使うという選択肢にしてみるといいでしょう」
残りの9~8割を意義のある使い方をすることで、経済を回しながらこれまでチャレンジしてこなかった投資を始めるチャンスにもできるというわけです。
特に現在、メガバンクの預金の金利は大変低く、例えば普通預金金利は0.001%。100万円預けても年間の利息は税前で10円とごくわずかなのです。
一方、投資信託の積み立ては現在、100円から可能です。10万円のうち2割である2万円を非課税枠であるiDeCoや少額投資非課税制度(NISA)に投資するというのは、現実的な選択肢と言えるでしょう。
あるいは先ほどの子どもの分の給付金も、「ジュニアNISA」に投資することを提案してみてはいかがでしょうか。

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