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2022年のお年玉事情は?【年齢別】お年玉の相場とお金の管理法

私たちの生活に急速に浸透してきた「キャッシュレス決済」。一方で子育て世代が気になるのは、最新のお年玉事情。果たして、現金で渡すお年玉にも変化は見られるのでしょうか?

年齢別に見るお年玉の相場やお年玉のあげ方、もらった後の管理法について解説します。

お年玉をあげる意味とは?

まず初めに確認しておきたいのが、「お年玉をあげる意味」について。お年玉はもともとお金ではなく、お餅を渡していたとされています。五穀豊穣を祀る「歳神(としがみ)様」にお供えした餅玉(鏡餅)を家族に分け与えていたという習慣が、高度経済成長期をきっかけに、手軽に渡せるお金へと変化していったそうです

最近では、子どもにマネーリテラシーを身につけさせる意味でお年玉を習慣化しているといった家庭も多く見られます。お年玉の金額や管理方法などによっても、お年玉をあげる意味が変わってくるかもしれませんね。

子どもの年齢別に見るお年玉の相場

それではさっそく、気になるお年玉の相場を子どもの年齢別に見ていきましょう。

こちらは住信SBIネット銀行「2021年・お年玉に関する意識調査」による「お年玉をあげる相手の年齢とその金額」のアンケート結果。

お年玉をあげる相手×金額

小学生未満は「1,000円以下」、小学校低学年は「~3,000円」、」小学校高学年は「~5,000円」が最多となっていますが、中学生以上になると「~10,000円」がボリュームゾーンとなっています。

引用:住信SBIネット銀行「2021年・お年玉に関する意識調査」より

今回はこちらの調査結果と、SNSで子どもを持つ親、計63人にとったアンケートの結果を照らし合わせてご紹介します。

<未就学児>

0歳~6歳までの未就学児には、「1,000円以下」がもっとも多い回答でした。

また実際の声の中に、「お年玉は小学生から」と決めている家庭もあり、未就学児にはお年玉をあげないという意見も見られました。

意識調査の中にも「赤ちゃんにはあげるべきか迷う」などという声もあったので、少なくともお金の価値がわかるようになるまではお年玉をあげるべきでないと考える人もいるようです。

<小学生>

小学生にあげるお年玉の金額の中で、一番多く見られた回答は「3,000円」です。

意識調査の結果からもわかるように、SNSの声にも低学年は「1,000円~2,000円」、「高学年は3,000円」としている家庭が多く見られました。

きょうだいがいる家庭では、わかりやすく差別化を図るため「学年×1,000円」にしているという意見も。子どもが大きくなるにつれ、金額の違いできょうだい喧嘩に発展することもあるので、良いアイデアですよね。

ただ、4年生の場合「4,000円」と“忌み数”になるため、家庭内ではこのルールを取り入れることになっても、親戚や友人の子どもには避けたほうが良いでしょう。

<中学生・高校生>

SNSのアンケート結果では、中学生と高校生には「5,000円」という声がもっとも多く、中学生は「3,000円」、高校生は「5,000円」という意見も。

意識調査の結果を見ると、中・高ともに「5,000円~10,000円」がもっとも多い金額になっていますね。金額がそれなりに高くなってくるこの年代は、子どもの人数や親戚の数によっても各家庭で差が生じそうです。

この年代にもなると一定額は親が預かり、残りを子どもに管理させるといった意見も見られ、子どもにお金の使い方やありがたみなどを覚えさせていく家庭も多くなります。

成長するにつれ少しずつ、マネーリテラシーを身につけていってほしいものですね。

<大学生>

高校を卒業したあとは、お年玉を“あげる派”と“あげない派”に分かれます。

あげる派の相場は「5,000円」または「10,000円」。大学生といえども、お年玉ですからそれほど高額にはしないのが一般的のようです。

このように、年齢別に少しずつ金額をあげていくのが一般的。「いつから金額をあげるか迷う」という声もあるので、家庭ごとに独自の“お年玉ルール”を取り決めておくと、毎年金額を悩まずに済むでしょう。

親戚がいる場合にはできるだけ双方で話し合い、お互いにルールを守ったうえでお年玉のやり取りができると良いですね。

お年玉のあげ方は?

お年玉はポチ袋に入れて現金を手渡しするのが一般的なあげ方ですよね。

しかしキャッシュレス化が加速する今、甥や姪などの親戚にあげるお年玉をはじめ、自分の子どもに対するお年玉も“キャッシュレス”を取り入れている人もいるようです。

以下、住信SBIネット銀行の「2021年・お年玉に関する意識調査」のデータをご覧ください。

甥・姪へのお年玉の渡し方

甥・姪へのお年玉の渡し方が「例年と違う方法」になる人は1割弱となりました。
お年玉を渡す方法としては現金が圧倒的に多いですが、振込や電子マネーなどキャッシュレスで渡す人も前年より増加しています。

引用:住信SBIネット銀行「2021年・お年玉に関する意識調査」より

甥や姪に対して電子マネーや銀行振込といった、“現金を用いない方法”でお年玉をあげるという声が、全体の4%見られる結果となっています。

自分の子どもに対しても電子マネーなどの方法でお年玉を渡す人も少なからずいるようです。

お年玉のキャッシュレス化は、今後さらに普及していくことが予想されるでしょう。

あり?なし?電子マネーでお年玉

コロナ禍事情も相まって、加速するキャッシュレス化。「お年玉を電子マネーで渡す」ことについて、全国の親御さんはどのように感じているのでしょうか。

総合マネースクールのファイナンシャルアカデミーが実施した「キャッシュレスとお年玉に関する意識調査」の最新版データから、意外にもお年玉のキャッシュレス化について肯定的な意見が増加傾向にあることがわかりました。

お年玉のキャッシュレス化について

引用:ファイナンシャルアカデミー「キャッシュレスとお年玉に関する意識調査」より

2019年には34%と少数意見だったキャッシュレス化賛成派が、直近のデータでは過半数を超えており、年々キャッシュレスのお年玉を受け入れる人が増えていることがわかります。

お年玉のキャッシュレス化を賛成する理由には「便利だから」がもっとも多く、次いで「時代に合っているから」「コロナ対策にもなるから」などの意見が見られます。

しかし、実際に2022年、お年玉をどのようにあげるか?という調査では、次のようなデータも。

2022年お年玉のあげ方

引用:ファイナンシャルアカデミー「キャッシュレスとお年玉に関する意識調査」より

キャッシュレス化に賛成という意見とは裏腹に、実際にあげる側になると、お年玉にキャッシュレスを採用しようとしている人は全体の1割に留まることがわかりました。

日常生活においてキャッシュレス化が進むほど、賛成する意見が今後は増えていくと考えられます。キャッシュレスという見えないお金をどのようにして扱うかを親子で学び、日頃から共有していくことが大切です。

たとえば、お年玉を現金で子どもにあげた後、一緒に電子マネーにチャージをしに行くなど、実際に「お金を支払ってから電子マネーがお金として利用することができる」といった仕組みを体験させるのも良いですね。

電子マネーには「Suica」「PASMO」などのICカードや、「PayPay」「LINE Pay」などのQRコード決済、プリペイドカードや図書カードなどさまざまな種類があり、それらはコンビニやATMでチャージまたは購入できるものがほとんどですので、ぜひお子さんと一緒に試してみてください。

お年玉の管理方法

続いて、お年玉の管理方法について解説していきます。

こちらも住信SBIネット銀行「2021年・お年玉に関する意識調査」のデータを参考に見ていきましょう。

子どものお年玉の管理方法(複数回答)

自分の子どものお年玉を管理している人にその管理方法を尋ねたところ、「円普通預金」が71.1%と突出していますが、前年より減少しています。一方、「投資信託」「株」が前年より増加しています。

引用:住信SBIネット銀行「2021年・お年玉に関する意識調査」より

子どものお年玉を預かっている人の管理方法について、もっとも多い回答は「円普通預金」。以下、「現金のまま保管」「円定期預金」「投資信託や株」という声が続いています。

お年玉を親が管理するご家庭では、そのお金を投資に回す人がわずかながら年々増えつつあるようです。

もらえるお年玉の金額や子どもの年齢によっては、親と子どもで半分ずつ管理する方法や、子どもに自由に使わせるといった声も見られます。子どもがお年玉を自由に使う際は、あらかじめ親子間でお金の使い方についてのルールを取り決めておきましょう。

親が銀行預金に貯めている場合には、子ども名義の口座を作って貯蓄しておくと将来子どもが大きくなったときに、口座ごと引き継ぐこともできますね。子どもと一緒に銀行へ行き、お金を預ける場面を子どもに見せるのも良いでしょう。

お年玉は子どもに金銭感覚を身につけさせる良い機会なので、お金の使い方やお金のありがたみなどを教えてあげられると良いですね。

親自身もキャッシュレスについて学んでいこう!

年齢別に見るお年玉の相場は、「未就学児1,000円」「小学生3,000円」「中高生5,000円」となっています。お年玉の金額やあげ方は、各家庭や親戚との話し合いでルールを決めておくと、毎年悩まずに済むでしょう。

最新のお年玉事情を見てみると、電子マネーであげるお年玉について賛成する声が意外にも多く見られました。とはいえ実際に電子マネーであげる人はまだまだ少ないですが、これからキャッシュレス化が加速するにつれ、お年玉を電子マネーであげる世帯も増えていくかもしれません。

大人である私たちがキャッシュレスのリテラシーを身につけ、子どもに正しい使い方を教えていくことが今後の課題だといえます。現金であってもキャッシュレスであっても、お金の扱い方について正しい知識を子どもに身につけさせたいものですね。

執筆:Webライター/夏川さほ

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