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おこづかいはいつからあげる?

おこづかいで年齢よりも大切なのは…

子どもの『マネー教育』を考えるときに大切だと言われるのが『おこづかい』です。でも何歳から、いくらからあげたらいいのでしょうか。

小学生の7割がおこづかいをもらっている

皆さんはお子さんに「おこづかい」をあげていますか?
第3回の「子どものくらしとお金に関する調査」(金融広報中央委員会「知るぽると」による2015年度調査)によれば、小学生の7割強が「おこづかいをもらっている」と答えているそうです。
ただおこづかいと言っても、月に1回なのか週に2回なのかなど頻度もまちまちですし、金額も各家庭によってさまざま。例えば同調査では、低学年の場合「ときどき」もらっていると回答した子どもが6割弱。金額は低学年の場合500~700円未満(22.6%)が多く、続いて100~200円未満(16.5%)となっています。
こう聞くと、小学生になったらときどき、おこづかいをあげたほうがいいのかと思ってしまうかもしれません。でも、必ずしも「小学生だから」あるいは「小学生じゃないから」という年齢による基準で決めなくてもいいといいます。

実は年齢ではない? おこづかい制を導入のタイミング

キッズ・マネー・スクール代表の三浦康司さんによれば、子どもにおこづかいをあげるタイミングは、年齢よりも、お金の概念がわかってきたかどうかだと言います。
具体的には「あれ、買って!」「これ、欲しいなあ」と言い出したら、十分、お金の概念を感じ取っているサインなのだそう。ですから5歳のお子さんでも、4歳のお子さんでも、「買って!」や「欲しい!」が出たら、おこづかいをあげるチャンスというわけです。
でもそんな小さいうちにおこづかいをあげて、お金の失敗をするといけないのでは? と心配になるかもしれません。
でもそれは、「失敗」ではなく「学び」なのだと三浦さん。小さい頃のお金の失敗は、少額ですし傷も浅いので、むしろ、失敗をおそれずに、どんどんお金に触れることで、金銭感覚も身についていきます。

いくらからスタートする? どうやって決める?

では、いくらからスタートすればいいのでしょう。
例えば、テレビアニメのキャラクターのことを大好きになったお子さんが、そのキャラクターのシールを集めたいと言い出したとします。シール1枚は100円だから、買えない値段ではないけれど、でもそれを買うために、毎週100円のおこづかいを渡していいのかどうか。それでお金の価値はわかるようになるのか。そんな風に迷ってしまうかもしれません。
これに対し、「よく、いくらがいいのでしょうか? と聞かれる」という三浦さんは、「親子で話し合って、一緒に決めること」を提案しているといいます。
5歳のお子さんのおこづかいとして、100円が妥当なのか、500円が妥当なのか。その根拠は、各ご家庭で判断したほうがいいのです。
例えば、小学1年生で1カ月に1500円のおこづかいをもらっていると聞くと、「ずいぶん高い!」と思う人が多いでしょう。でも、この中に「毎月読む、本(児童書)代も入っている」としたらどうでしょうか? 1冊1000円~1400円とすると、残りは多くて400円。でもこうして渡すことによって、「本を1冊買うのにも、これだけお金がかかるのだな」と子どもは理解することができ、大切に読もうと思えるようになります。
ですから、大切なのは親子で話し合って「おこづかいをいくらにするか。何に使うか」を決めることなのです。

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